巻き爪治療において、保険診療での巻き爪治療の要望が多いことより、
保険診療による巻き爪外来を開設致しました。
爪の構造について
巻き爪になる理由を考える前に、
爪の構造について知っておく必要があります。
American Family Physician Volume 100, Number 3 ◆ August 1, 2019より改変引用
巻き爪・陥入爪の理解において
重要な解剖学的知見は下記の通りです。
- 爪は爪母から作られる。
- 足の爪は1ヶ月で約1~1.5mm伸びる。伸びる速度が遅いため、健康な爪に変わるまで時間がかかる。
- 巻き爪は、爪甲が彎曲し、側爪郭の部分で皮膚が食い込んで問題を起こす。
- 巻き爪以外にも、爪甲肥厚、爪白癬、爪甲鉤彎症など爪甲自体の問題をかかえる人が多い。
巻き爪・陥入爪の病態について
- 巻き爪:爪甲が彎曲した状態、すなわち単に爪が巻いている状態
- 陥入爪:爪甲が側爪郭に陥入して、周囲の皮膚に炎症を引き起こした状態、すなわち爪が周囲の皮膚に対して悪影響を及ぼして炎症を起こしている状態(痛みあり)
▼:陥入爪の写真
陥入爪は、巻き爪が原因のことが多いですが、必ずしも巻き爪だけが原因というわけではありません。
巻き爪や陥入爪になる原因は数多くあります。
下記が代表的なものです。
- サイズの合わない靴、つま先の細い靴を履いている
- 深爪
- 外傷(スポーツや爪の衝撃)
- 肥満
- 糖尿病や血流障害(下肢動脈疾患)
- 高齢者の爪の乾燥や肥厚
- 脊椎脊髄疾患
- 歩行困難による足先への力がかからなくなること(悪循環)
爪の切り方
特に当院に来院される巻き爪・陥入爪の方は、深爪をしている方が多いです。
深爪は巻き爪、陥入爪をより悪化する原因となります。
爪の正しい切り方は、下記のとおりです。

スクエアオフカット
爪をまっすぐ横に切る。左右の角を少しだけ丸める。
巻き爪・陥入爪の治療
治療は、保存的治療と外科的治療があります。
保存的治療では、セルフケアもありますが、原則として矯正治療が主体となります。
外科的治療は、手術療法が主体となります。
【巻き爪矯正】
健康保険が適応されません。
当院に併設しているオーキッド巻き爪サロンで矯正を行っております。
【外科的治療】
爪の幅を狭くし、食い込んでいた部分の爪自体をなくすことで、痛みから開放する根治術です。局所麻酔を行い、爪甲両端の一部を切除し、爪母を切除、もしくは薬で処理をすることで、幅の狭い爪甲にします。
最近は、術後疼痛が少ないフェノール法という方法が多くの施設で実施されています。
また、一時的な対処として、部分抜爪を行うこともあります。部分抜爪の場合は、再度爪が生えてきたときにまた痛みが出てくる可能性があり、根治術ではありません。
【フェノール法について】
フェノール法は、フェノールという薬剤を用いて、爪母を処理し、処理した部分の爪を生えないようにする手術法です。爪の幅が狭くなるので、陥入爪の再発リスクは低下し(完全に0にはなりません)、根治的治療として手術が確立しています。日帰り手術となり、術後の痛みは少ないと言われています。
▼:手順
- 足指の付け根に局所麻酔の注射をします。麻酔が効けば、痛みはなくなります。
- 爪の外側部分をどれだけ切除するのかをデザインします。
- 足の付け根を駆血し、術中の出血量を減らします。
- デザインどおりに爪甲を除去します。肉芽が強い場合は、同時に肉芽も切除します。爪甲は爪母にくっついている奥の部分も完全に除去します。
- フェノールを浸した綿棒を爪母にあて、処理を行います。基本的には30秒を6回程度を行うことを基本にしますが、状況により異なります。
- フェノールをエタノールで中和させ、生理食塩水でよく洗浄します。
- 洗浄後、バイポーラという電気メスで凝固止血を行い、止血完了後、軟膏処置を行いガーゼ保護して手術を終了します。
- 術後は徒歩で帰宅可能ですが、ガーゼを巻くため、通常の靴は履けません。サンダル等をお持ち下さい。
- 術翌日に来院して頂き、創部をチェックします。その後は自宅で洗浄、軟膏処置を繰り返していきます。シャワー浴については可能ですが、入浴はしばらく控えて頂くことになります。
- 創部は2~3ヶ月程度で治癒が見込まれますが、糖尿病や動脈疾患など基礎疾患をお持ちの方は、創部治癒遅延や感染のリスクがあり、治るまで長期間かかることがあります。
巻き爪外来受診のご案内
巻き爪外来の受診は、ご予約は不要です。受診者が多い場合は、待ち時間が出ることについてはご了承下さい。
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来院前に下記のボタンから、予診票を入力・送信してください。
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根治術(フェノール法)は初診時には施行できません。別途、手術予定日を決定致します。
当院の巻き爪治療についてご指導を頂いている埼玉医科大学 簗由一郎先生の
「専門医と学ぶ巻き爪・陥入爪治療の相談室」もご参照ください。
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