頭部の骨腫とは?
骨腫は、頭蓋骨の表面にできる、骨の硬い出っ張りです。
外骨腫と間違えられることがありますが、骨腫は外骨腫とは異なります。

外骨腫の正式名称は骨軟骨腫であり、骨軟骨腫は成長期の小児や若年者の四肢の骨に好発する良性腫瘍で、頭蓋骨にできる骨腫とは異なるものになります。
※骨腫の画像:https://doi.org/10.3390/medicina62050947より引用
頭部の骨腫は、多くの場合、良性の骨性病変です。皮膚や脂肪のしこりではなく、頭蓋骨そのものから硬く盛り上がるため、触ると石のように硬く、動かないことが特徴です。
ゆっくり大きくなることがありますが、無症状で経過することも多く、すべての方に手術が必要なわけではありません。まずは診察と画像検査で、「本当に骨の病変か」「経過を見てよいものか」「治療が必要か」を確認することが大切です。
骨腫と間違えやすい病気
頭のしこりには、骨からできるものだけでなく、皮膚や皮下組織からできるものもあります。触っただけでは判断が難しいこともあるため、必要に応じて画像検査(超音波検査、CT、MRI)を行います。下記にその例を示します。
【粉瘤】
皮膚の下にできる袋状のできものです。感染すると赤く腫れて痛みます。
【脂肪腫】
やわらかい皮下腫瘤で皮下の脂肪組織が増殖したものです。
【石灰化上皮腫】
毛の根元にある細胞に由来する良性の皮膚腫瘍で、触ると石のようにコリコリと硬いしこりを感じます。
【頭蓋骨悪性腫瘍】
骨破壊や痛みを伴うことがあります。
画像検査が重要ですが、手術で一部組織採取をして病理検査で診断することもあります。
【皮膚悪性腫瘍】
不整な頭皮色調変化、びらんなど皮膚の色素性病変や盛り上がりが主体です。
【皮様嚢腫・類皮嚢腫】
小児や若年者にできる皮下腫瘤ですが、頭蓋内と交通していることがあり、画像検査が重要となります。
診断について
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診察:
触診で硬さ・可動性・皮膚との関係・圧痛を確認します。
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CT検査:
骨の状態を最も確認しやすい検査です。骨腫や頭蓋骨病変の診断には必須となります。
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MRI検査:
脳や硬膜、軟部組織との関係を詳しく見る必要がある場合に行います。
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超音波検査:
皮膚軟部組織病変を疑う場合に有効です。
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病理検査:
手術で切除した場合、顕微鏡で良性病変か確認します。
※画像はdoi: 10.4329/wjr.v17.i6.107776より引用、矢印の部分が骨腫。
治療について
無症状で小さく、画像上も典型的な骨腫であれば、経過観察でよいことがあります。
治療の必要性は、病変の大きさ、場所、増大傾向、痛み、見た目の問題、患者さんのご希望を総合して判断します。
【① 経過観察】
症状がなく、画像上も良性と考えられる場合は、すぐに手術をせず経過を見ます。
大きさの変化や症状の出現があれば再評価します。
【② 手術による切除(根治術)】
見た目が気になる、痛みや違和感がある、少しずつ大きくなっている、診断をはっきりさせたい場合には、切除術を検討します。
外側に突出した小さな骨腫であれば、病変部を露出して骨の出っ張りを削る・切除する方法をとります。
手術にかかる費用
頭蓋骨腫瘍摘出術となり、3割負担の方で約9万円程度となります。
場合により高額医療費制度が使用できますので、ご自身の加入している健康保険にご確認ください。
【手術についてよくあるご質問】
Q. 初診の当日に手術できますか?
骨腫の場合、まずは画像検査が必要となります。当院では頭部レントゲン撮影は可能ですが、CTやMRIはありません。
近くの医療機関で頭部CTやMRI検査を撮影し、その後、手術が可能かどうかを検討し、手術可能な場合は、別途手術日時を相談の上、決定いたします。
Q. 日帰り手術の後、お風呂に入れますか?
疾患や手術内容によりますが、当日は患部を濡らさないようにしていただき、シャワー浴は当日から可能なケースが多いです。
Q. 手術後の通院は何回くらい必要ですか?
通常、翌日の創部のチェックと、1~2週間後の抜糸などで数回の通院が必要です。お仕事の都合などに合わせて柔軟に対応いたします。
頭皮にできる皮膚軟部腫瘍
頭皮にできる皮膚腫瘍・皮膚軟部腫瘍は実に多彩です。
頭皮外科外来では、悪性が疑いにくい病変については摘出術を行っております。
具体的には以下の疾患となります。
一方、色素性病変(母斑、脂漏性角化症、悪性黒色腫など)、日光関連病変(日光角化症、Bowen病、有棘細胞癌、基底細胞癌)は悪性の可能性があり、原則として総合病院での治療を推奨しております。
その他、病変が急速に大きくなってきた、5cm以上ある大きい病変なども悪性を疑う症状ですので、当院では治療は行えません。
切除を希望される方は、まず受診してください。