当院は、トラベルクリニックのさらなる推進として、帰国後診療(輸入感染症診療)を始めました。
ただし、特殊感染症についての治療は困難なため、診断がついた時点で医療連携先である公立陶生病院の感染症内科に紹介させて頂くことになります。あらかじめご了承ください。
曝露後予防を始めとした帰国後診療は早期の受診が推奨されますので、受診を希望される場合は、電話(090-8568-3336)でご連絡頂くか、こちらの相談フォームからご連絡ください。予診票は下記ボタンのWeb予診票を予め入力し送信してください。
帰国後診療
After returning treatment当院は、トラベルクリニックのさらなる推進として、帰国後診療(輸入感染症診療)を始めました。
ただし、特殊感染症についての治療は困難なため、診断がついた時点で医療連携先である公立陶生病院の感染症内科に紹介させて頂くことになります。あらかじめご了承ください。
曝露後予防を始めとした帰国後診療は早期の受診が推奨されますので、受診を希望される場合は、電話(090-8568-3336)でご連絡頂くか、こちらの相談フォームからご連絡ください。予診票は下記ボタンのWeb予診票を予め入力し送信してください。
渡航に関する曝露後予防では主に破傷風と狂犬病があります。その他、麻疹・水痘・B型肝炎・髄膜炎菌・HIV等の感染症があります。
海外で動物咬傷など傷が付けられた場合、
狂犬病発症予防目的で曝露後予防が必要になります。
WHO方式では暴露前接種をしている場合と暴露前接種をしていない場合でスケジュールが異なります。動物咬傷があった場合、直ちに傷を水と石鹸でよく洗ってから病院を受診してください。
可能な限り咬まれたその日に受診するのが望ましいですが、病院までのアクセスが困難な場合、遅くとも5日以内には受診してください。病院で、創部の処置、抗生剤投与、狂犬病ワクチン接種、さらに狂犬病暴露前接種をしていない場合は抗狂犬病ガンマグロブリン注射を行います。
ただし、世界的に抗狂犬病ガンマグロブリン製剤は供給が少なく、日本では入手することはできません。10年以内に破傷風トキソイド含有ワクチンを接種していない人は、破傷風トキソイド含有ワクチン投与も必要です(受傷後破傷風予防)。
狂犬病の曝露後接種については、①保険診療で行う場合、②自費診療で行う場合があります。①の場合は国産ワクチンのラビピュールというワクチンのみとなります。②の場合は海外旅行保険の適応となる可能性もあるので、海外旅行保険に加入している場合は問い合わせてみてください。使用するワクチンは国産・輸入ワクチンどちらでも可能です。
ケガをした場合や動物咬傷があった場合、過去の破傷風のワクチン接種歴を鑑みて、曝露後接種が必要になることがあります。当県の場合は、曝露後接種の1回については保険診療可能となっております。基礎免疫がない方は合計3回接種が必要ですが、1回目接種を保険診療で行っても、2回目以降は自費診療となります。
麻疹の患者と接触後72時間以内にMMRワクチンを接種すると、麻疹を発症する確率が低下する(効果として83.4%)という報告があります。
(Clin Infect Dis. 2017 Nov 13;65(11):1843-1847. doi: 10.1093/cid/cix639.より引用)
水痘の患者と接触後72時間以内に水痘生ワクチンを接種すると、水痘を発症する確率が低下することが報告されています。また、曝露後7日から7日間の抗ウイルス療法を開始することも検討されます。
(https://doi.org/10.1002/14651858.CD001833.pub3、https://doi.org/10.1016/j.pmedr.2019.101016より引用)
※これらの曝露後予防は全て自費診療となります。
蚊媒介感染症では、日本脳炎、黄熱、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、マラリア等がありますが、ここでは、輸入感染症として重要なデング熱、チクングニア熱、マラリアについて解説します。
東南アジア・南アジア、アフリカ、北米・中米・南米地域
ECDCより引用(2022~2023年の流行地域)
Abbott社のバイオラインデングDuo NS1Ag+IgG/IgM
【さまざまな段階で、デング熱を診断】
Abbott社HPより引用
Dengvaxia(Sanofi社)
QDENGA(武田薬品)
アジア、アフリカ、中米・南米地域
ECDCより引用(2022~2023年の流行地域)
中南米、アフリカ、アジア、東ヨーロッパ、南太平洋の広い地域
Malaria Atlas Project 2020年のデータを引用
ギムザ染色、PCR、XN-31、簡易キット等。
シスメックスHPより引用
Mosquirix
マラリア流行国の主に小児が対象でワクチン接種がすすめられています。マラリアの臨床例と重症例が約3分の1に減少するという報告があります。渡航者が接種できるようなワクチンではありません。
抗マラリア予防薬で 100% 防御できるわけではなく、個人用保護手段 (防虫剤、長袖、長ズボン、蚊のいない環境で寝る、殺虫剤処理された蚊帳の使用など) を併用する必要があります。
マラロン(アトバコン/プログアニル)
成人の方:1日1回、1錠をマラリア流行地域到着1~2日前から内服開始し、流行地域滞在中および流行地域を離れたあと7日間、毎日食後に内服してください。
小児の方:体重に応じて量が異なります。
副作用:頭痛、腹痛、嘔吐、下痢、口腔内潰瘍、異常な夢など。副作用を少なくするには、食事摂取後、多めの水分と一緒に内服するとよいと言われています。
問題点:費用が高い。
メファキン(メフロキン)
成人の方:体重に応じ1日1回3/4錠~1錠を、マラリア流行地域到着1週間前より開始し、1週間間隔(同じ曜日) で内服します。流行地域を離れた後4週間は内服します。
副作用:めまい、頭痛、腹痛、下痢、吐き気、けいれん、精神症状など
問題点:乳児、妊婦、てんかんを持っている人、精神病の方は内服不可能。メフロキン耐性マラリア流行地域では使用できない。5%の人は副作用のために内服継続が困難となり、後遺症が残る可能性が否定できません。
ビブラマイシン(ドキシサイクリン)
成人の方:1日1回、1錠をマラリア流行地域到着1~2日前から内服開始し、流行地域滞在中および流行地域を離れたあと、4週間は同様に内服して下さい。
小児の方:8歳以上。体重に応じて量が異なります。
副作用:腹痛、食欲不振、下痢、吐き気、光線過敏症、色素沈着、歯が黄色くなるなど。副作用を少なくするには、食事摂取後、多めの水分と一緒に内服するとよいと言われています。
問題点:日本国内ではマラリア予防薬として承認されていないため、重篤な副作用がおこった場合、副作用被害救済制度の対象外となる。
詳細はワクチンのページをご参照下さい。
特に旅行者下痢症として多いのは、大腸菌・サルモネラ・カンピロバクターなど日本でも食中毒として有名な菌が多いです。多くは軽症で、自然治癒が期待されますが、中等症以上では抗生剤治療や輸液などが必要になることもあります。赤痢アメーバや寄生虫感染の頻度は多くないため、ここでは割愛しますが、疑いの段階で専門医に紹介することになります。
これらは診断自体が難しく、疑いの段階で専門医に紹介することになります。
皮膚科が診断・治療することになるため、ここでは割愛致します。
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