愛知県 麻疹(はしか)情報とおたふくかぜについて
愛知県ではゴールデンウイーク中に、麻疹の新たな感染者が3人判明したことを発表しております。中学生2人と30台の女性とのことです。学校内での感染拡大が危惧されています。
麻疹についてはことさら強調され、連日のように報道がされています。
しかしながら、麻疹と同様に感染力の強いおたふくかぜについては、全く情報が流れていません。おたふくかぜも、麻疹と同様、合併症がこわい病気です。髄膜炎や脳炎、難聴など色々な合併症があり、防がなければならない感染症の一つです。
愛知県衛生研究所が2018年4月16日~4月22日の感染症の情報を発表しておりますが、おたふくかぜは15人報告されています。おたふくかぜは小児科定点報告であり、全数把握ではないため、全てのおたふくかぜが判明しているわけではありません。特に成人例は報告義務がないため、どのくらいの感染者がいるかは正確には分からないのです。
WHOが2016年の世界各国のおたふくかぜの感染者数を発表しておりますが、日本は15万9031人であり、中国の17万5001人についで多い状況です。これもあくまで小児科定点の報告なので、成人例を含めるとさらに多くの感染者がいるであろうことが予測されます。
先進国でここまでおたふくかぜの患者さんがいるのは日本だけです。きわめて問題であるにも関わらず、医療機関からもほとんど情報が発信されていないのが現実です。
おたふくかぜは予防接種が任意接種となっており、接種率が極めて低いので、流行をおさえることができないのです。
当院でも、できる限り予防接種歴を確認しておりますが、おたふくかぜについては予防接種をしたことがない、または一回のみ接種の人も多く、防御抗体がついていないことが多いです。
これを機会に、今一度ご自身やご家族の予防接種歴をご確認頂き、できる限り抗体測定を行うようおすすめします。