愛知県 麻疹(はしか)情報 2018年5月2日時点と健康管理について
名古屋市は、5/1に新たな麻疹患者4人を報告しています。3人は今回の流行の三次感染で、もう一人は、それとは別に4月中旬にタイで感染したとみられています。
3次感染例は懸念していたとおりですが、今回注目したいのは、タイで感染した20代女性の例です。4/14-16日にタイ旅行に行き、そこで感染したとみられています。ワクチン接種歴は無しとのことです。
海外旅行前にトラベルクリニックを受診される方が時々いらっしゃいますが、よく聞かれる質問が、「短期間の旅行ですが、そんなに危険ですか?」というものがあります。
結論から申しますと、この麻疹にかかった女性のように、たとえ短期間の旅行であっても、何の対策もせずに感染症の流行地に足を踏み入れるということは、感染症にかかるリスクが高いということです。
また、今回は日本で麻疹が流行しておりますので、麻疹が特別に取り上げられていますが、海外での感染あるいは海外から持ち込まれる危険性のある感染症、そして時々日本で流行する感染症は麻疹だけではありません。
風疹、おたふくかぜ、水痘のみならず、例えばインドネシアでは2017年にはジフテリアが590例以上発症し、少なくとも32人が死亡しております。日本人に人気のバリ島では狂犬病が発生しており、ビーチでは野犬がいますし、猿にもひっかかれたり咬まれたりする事例が後を絶ちません。東南アジアでは、腸チフスやA型肝炎のリスクは常にあります。
海外にいても日本にいても、重要なことはリスクマネジメントと日頃からの健康管理です。麻疹・風疹・おたふくかぜ・水ぼうそうは抗体検査をすれば防御抗体があるかどうかは分かりますし、その他のワクチンで防げる病気はワクチンで防ぐという基本的な概念が大事です。
この麻疹の流行を機会に、今一度ご自身の健康管理とリスクマネジメントについて考えて頂ければと思います。