2017.12.08
風邪と抗生剤
今年6月、厚生労働省が抗微生物薬適正使用の手引きというものを発行しました。いわゆる抗生剤を適正に使用しましょうというガイドラインみたいなものですね。日本では抗生剤の90%程度が飲み薬として処方されており、そのうち約6割程度が診療所などの外来診療で処方されています。不適切処方がどのくらいかというのは日本では正確な研究結果はありませんが、諸外国では約3割程度と言われており、日本もそのくらいの割合ではないかと言われています。不適切な抗生剤処方により、耐性菌が増加すると、大変な問題になります。
風邪の多くは、ウイルスが原因であり、抗生剤は効きません。細菌が原因であれば抗生剤が効きますので、迅速検査などで細菌が原因と分かれば抗生剤を処方することが基本になります。しかし、上述のように風邪に対して必要の無い抗生剤を処方していることが多いというのが現状なのです。
我々は、このような基本的なことをもっと患者さんに啓蒙する必要があり、当院では必要があれば迅速検査も行いつつ、患者さんに説明ができたらと考えております。